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もう1つの交響曲第1番「巨人」(マーラー) [マーラー]

マーラーと言えば交響曲の印象が大きいのですが、交響曲の他にマーラーが精力を費やしていたと思われるのが歌曲です。声楽をされている方には常識かも知れません。マーラーは生活と名声のために指揮をして、本当にしたかったのは作曲だったようです。この歌曲はヨハンナ・リヒターに対する思いを書いたものだそうです。

歌曲
Lieder eines fahrenden Gesellen
さすらう若者の歌
Gustav Mahler

この歌曲との出会いは私にとって驚きでした。何気なく、歌曲集を聴いていたのですが、突然、交響曲第1番[1]のフレーズが始まったのです。そしてしばらく聞いていると交響曲第1番の第3楽章も始まったではありませんか。作曲時期を改めて調べてみると次のようになっています。

1884-1885 作曲 ピアノ伴奏
1884-1888 交響曲第1番「巨人」作曲
1891-1896 改定 オーケストラ伴奏
1897 初演(オーケストラ伴奏)

ほぼ同時期の作曲で、歌曲の方が早いとされています。交響曲第1番は自然崇拝、英雄の曲のイメージ[1]ですが、この歌曲のテーマは失恋です。どうもイメージが合いませんので、個人的には別の曲と考えながら聞きます。もしかしたら「巨人」も失恋しているのでしょうかね。それともマーラーが巨人なのか・・・歌詞が気になるところですが、wikipediaに和訳[2]が載ってますので、ご覧ください。交響曲中の独唱・合唱と違ってマーラー自身の作詞だそうです。

1, Wenn mein Schatz Hochzeit macht 彼女の婚礼の日は

恋する人の結婚式。もちろん自分とではありません。あなたならどう過ごしますか?全部動画を載せるとメリハリがつきませんので、ここは見送ります。動画を見られたい方は[3]にリンクを付けておきます。

2, Ging heut' Morgen uber Feld 朝の野原を歩けば

交響曲第1番「巨人」第1楽章のメロディがいきなり流れます。結婚式のたぶん翌日。自然の中を歩くと自然はなんと美しいのでしょうか。希望が見えて来ます。



3, Ich hab' ein gluhend Messer 燃えるような短剣をもって

一転して激情が表に出ます。しかし後半はまた悲しみの中に戻ってゆきます。この楽章もリンクだけ付けておきます[4]。

4, Die zwei blauen Augen 彼女の青い目が

交響曲第1番「巨人」第3楽章の中で使われています。「どうしてその青い目で私を見つめたのだ」と言われても相手の方もどうしようもないですが、本人が一番どうしようもないのかも知れません。どうも以下の画像変です。音声は大丈夫です。



もし交響曲第1番が独唱付きだったらと考えても面白いかも知れませんね。もしかしたらマーラーは考えていたかもしれませんね。

[関連情報]
[1] マーラー:交響曲第1番「巨人」Der Titan, 2010/07/15
[2] さすらう若者の歌, wikipedia
[3] 第1楽章
[4] 第3楽章



映画「マーラー」 [マーラー]

いつもこのブログをご訪問いただくワカタカタカコさんから「マーラー」という映画を紹介してもらっていました。マーラーファンですが、映画ファンではないので見たことがありませんでしたので、レンタルしてみました。

映画「マーラー」(1974)
監督:ケン・ラッセル

これは誰にでも薦める映画ではありません。面白くないというわけでなく、一言で言えば、アバンギャルドです。アバンギャルドでもいかにも70年代風です。その後のハリウッドを中心とした映画の発展を見ていると、やはり一般大衆は映画にはリアリズムを求めていることを市場が物語っています。SFであっても、実際にありそうな雰囲気が大切で、一般聴衆を引き込むことができます。

この映画、いかにも前衛的で、はじめから家が燃えたり、カイコの繭から妻のアルマが生まれ、マーラーは石だし、映画にリアリティ以上の芸術を求める人向けです。でも話がめちゃくしゃではなく、ちゃんとマーラーの人生を描いています。マーラーファンとしてみてよかったと思いました。最近でもNHKがたまにこの映画のような前衛的ドラマをつくることがありますが、たぶん視聴率は取れてないでしょうね。

交響曲第9番と作曲家の死を気にしていたマーラー。職を得るために改宗したマーラー。なき子をしのぶ歌を作曲し、本当に子供を失ったマーラー。など主要なところは描いています。また、アルマの存在はこの映画の中では大きく描かれています。実際、アルマがグスタフ亡き後マーラーについて語ったものが、マーラー像を作り上げていますので、順当なところです。

映画ファンでないので、十分に論評できません。映画やこの作品についてご存知の方はいろいろ教えてください。

追伸:nyankomeさんのコメントにコメントしていて内容を追加することにしました。

この映画にはBGMとしてマーラーの交響曲を中心とした曲が使われています。そのほかワグナーも一部使われています。マーラーファンがその音楽を楽しむためにこの映画を見るという楽しみ方もあります。また、マーラーの音楽を知りたい人が入門するにもよいかもしれません。

ところで、1つ感じたのはマーラーの交響曲は、マーラー自身の人生を描くのにも壮大すぎるということです。



絶望から希望へ [マーラー]

若い頃はとにかく勢いの良い曲が好きでした。例えば、前にも紹介したショスターコビッチの交響曲第5番、ストラビンスキーの「春の祭典」「火の鳥」、チャイコフスキー交響曲第4番、第5番、そしてマーラーの交響曲の数々。しかし人生経験を重ねると他の曲調が好きになってきます。例えば今日の記事にするのは、深い悲しみからそれを乗り越えて希望が見える曲です。まあ、他の楽章は結構勢いがあったりしますが・・・


[A] マーラー 交響曲第3番 第6楽章
ロンドンシンフォニーオーケストラのYou Tubeページより



ロンドン響、こんなページを持っているとはやりますね。全部は聞かなくてもいいのですが、最初と最後だけ聞いてみてください。最初の絶望からだんだん盛り上がって行き、最後は希望が見えたでしょうか。



[B] マーラー 交響曲第5番 第4楽章
kaburagi10さんによるDTMでどうぞ。



すばらしいDTMの演奏です。実際の演奏で著作権の問題のない動画は見つけることができませんでした。この曲も絶望の曲ですが、最後は盛り上がり希望が見えます。マーラーは絶望だけでなく最後は希望を見せてもらえるところが好きです。


[C] チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 第4楽章
PINAより武久源造氏によるピアノの演奏



この曲は3楽章と4楽章を入れ替えれば、最後は盛り上げて終わりとなり、通常の交響曲になります。しかしチャイコフスキーは最終楽章を悲愴なものにしたのです。この曲は著作権の問題のないオケの演奏は見つからず、この前からグレーとしていたPTNAの音源です。いろいろな人のコメントをいただき、PTNAは埋め込んでも良いと考えました。PTNAですからピアノであり、オケではありません。You Tubeには問題ありそうな動画たくさんありましたので、そちらが良ければ探して見てください。

この曲、悲しみからだんだん中盤で希望が見えて来ます。しかしながら最後はやはり悲愴な終わり方をします。そこがちょっとマーラーとは違いますね。

ここで突然

[のだめクイズ]

のだめファンのためだけののだめクイズです。映画版最終楽章前編の最後の最後はお決まりのラプソディインブルーでしたが、その前、シュトレーゼマンは耳が聞こえなくなりつつあり、のだめはコンクールに出られず、千秋先輩との仲も怪しくなり、すべてが悲劇的になるラスト。そのシーンのBGMは上記3つの交響曲[A][B][C]のどれでしょう。

答えは



マーラー 交響曲第2番「復活」 [マーラー]

マーラーの交響曲第2番は宗教について語らずして語れません。私自身は典型的な日本人的宗教観を持っており、形式的には仏教に入っており、しかし、信仰しているわけではありません。クリスマス(キリスト教)を祝って、除夜の鐘(仏教)を聞くと、初詣(神道)に行く人間です。これは日本では当たり前ですが、外国では奇異な行動です。

マーラーはユダヤ教徒です。そしてこの「復活」の作曲完成は1896年です。そして1897年の結婚を期にユダヤ教からカトリックに改宗しています。これには様々な憶測があるようです。たとえばウィーン宮廷歌劇場の指揮者になるために、カトリックに改宗したという説です。しかし、マーラーの心の中は誰にもわかりません。カトリックの基本思想である「復活」を主題とした交響曲第2番の発表は改宗やウィーン宮廷歌劇場の指揮者就任の前年です。私は純粋にカトリックの思想に共鳴し、その後、結婚を期に改宗したと思っております。作曲開始は1888年ですから、そこまで策士とも思えません。

この交響曲も長いです。1時間半もかかります。著作権上問題なさそうな動画を選びました。しかし、これは大学の交響楽団でインテリなので、演奏に宗教心に燃えている感じは伝わってきません。本当な問題のある動画の中には演奏者たちが宗教心を丸出しにしているものもありますので、関心のある人は探してみるのもよいかもしれません。長いので以下の動画で1:18あたりから再生されてはいかがでしょうか。ほとんどフィナーレです。



アルトとソプラノの独唱(アルトがかっこいい)、そして合唱です。歌詞の意味は[1]のwikipediaに翻訳されておりす。復活にはイエス自体の復活と、最期の日(怒りの日)に全員が復活し最後の審判を受けるという思想とがありますが、私には後者の思想の基づき作曲したと思われます。どうもマーラーの交響曲第2番では皆が救われるようです。

聞いてみていかがでしょうか。神はフィナーレであなたの宗教的成功を高らかと祝福しています。そのような感覚に浸れますか。この曲は大規模な合唱団が必要ですから、小さな教会では無理ですが、大きな教会で演奏されることがある作品です。荘厳な教会で「怒りの日」からとったメロディを交え、あなたの宗教心を神は褒め称えてくれます。そしてフィナーレ。教会の備品のオルガンが演奏され、その教会の備え付けの鐘も鳴るのです。涙なくしてこの曲は聴けません。そうここで涙したあなたはカトリック教徒になったか、マーラー教徒になったかどちらかです。マーラー教へようこそ。

ブログではどうしても交響曲全体について語れません。今日はマーラーの宗教心と第2番のフィナーレの感動のからくりについて語りました。

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追伸:マーラー全集の中ではこの曲はメータ指揮です。

[関連情報]
[1] 交響曲第2番 (マーラー), wikipedia



マーラー:交響曲第1番「巨人」Der Titan [マーラー]

先日、マーラー全集を買った記事[1]を書きましたが、その1枚目のCDが交響曲第1番と花の章です。

Rafael Kubelik
CD-1
Gustav Mahler Complete Edition,
Deutsche Grammophone

この「巨人」と言う題はマーラーが一般人にわかりやすくするために付けられた題名で後に削除されています。現在ではそのわかり安さからか復活してます。マーラーの交響曲は長いことで有名です。その中で「巨人」は55分程度と短く、マーラー入門にはもってこいです。また、マーラーの交響曲の特徴である独唱・合唱が入っていません。演奏する側からすれば、オケで完結するので声楽家を手配する必要がなく、第1番が選択されることがあるようにも思います。短いと言ってもそれでもマーラーは長いので、まだ、聞いたことがない人や、メロディを忘れた人、時間のない人は第4楽章だけ聞いてみることをお薦めします。

第1楽章

このシリーズは著作権法上、問題なさそうな演奏を見つけるのが、最大の問題となりそうです。今回の「巨人」は何とか見つけましたので、どうぞ聞いてください。一流オケの演奏を聞き慣れた人には違和感があるかも知れませんが、私の感想としては日本の音大のレベルもここまで高くなったのかという感動を覚えました。

洗足学園音楽大学管弦楽団特別演奏会
指揮:ウラディーミル・アシュケナージ
2009年 12月4日 洗足学園 前田ホール
のだめ風にいえば、アシュケナージなのでAオケって感じでしょうか。



最初の弦のA音の持続音は私の解釈では静けさ、自然の深さや神秘を表しているように思います。第1楽章では盛んにカッコウが鳴きます。カッコウの本当の鳴き声はEnriqueさんの最近の記事でお聞きください[3]。高く、低く、繰り返し、繰り返し鳴きます。豊かな自然を表しているのでしょう。エコが叫ばれる現代にぴったりの曲だと思います。マーラーは自然を愛していたのでしょうか。

マーラーの音楽は映画音楽のようにも聞こえます。いろいろ各自自分のストーリーを作りながら聞くのも1つの楽しみかも知れません。クラシック初心者には良い方法だと思います。自然を愛する「巨人」のストーリー。どんなのがいいですか。

マーラーの交響曲はパートごとに調号が違ったりします。これがこの不思議な雰囲気を作り出すのでしょうか。音楽の専門教育を受けたことがない私にはこれ以上のことは分かりません。

第2楽章



マーラーの曲はほとんどの曲が明るいのです。しかし深みもあります。深遠なる明るさが不思議な世界を作ります。この楽章もその典型です。そして、マーラーの交響曲は主旋律がしっかりしていて、楽器を次から次の主旋律が受け渡されます。そういう意味では演奏者には演奏しがいがある曲なのかもしれません。聞く立場でも、歌えるのです。主旋律がはっきりしているので、通勤の途中で頭の中でマーラーの交響曲を再生するのはそれほど難しくありません。

第3楽章



wikipedia[2]によれば、アメリカ人の子どもがよく歌う"Are you sleeping?"の原曲を短調にしたものだそうです。なるほど。今まで気が付きませんでした。しかし、どちらかといえば、東洋的な曲調です。古典派とは全く違ったメロディです。このちょっと変わったメロディはマーラーの交響曲全体に言えることで、マーラーは東洋人に理解しやすいかも知れませんね。第3楽章を聞くとマーラーは実は東洋人だったと思えてきませんか。


第4楽章



第3楽章の最後はとても静かで平和です。ついついうつらうつらとしてしまいそうです。その静寂を突然破るのが第4楽章です。戦闘的というよりも戦闘シーンといって良いでしょう。初心者の方はこれもいろいろストーリーをつくると面白いかも知れません。苦しい戦闘もいつまでも続きません。マーラーはいつも完全なる勝利で終わってくれます。勧善懲悪が好きな方はマーラーを聴くべきです。また、日頃の小さな勝利を祝ってくれます。ヒーローにしてくれます。さあマーラーの力を借りて今日はあなたもヒーロー、ヒロインです。そして最後は終わりそうで終わらない。かなりひっぱてくれるのはマーラーです。第1番にもその傾向が表れています。そういえばこの楽章で平和な部分でまたカッコウが鳴きますよ。

交響曲第1番はここで終わりです。しかし、このCDには関連するもう1つの曲が収録されています。

花の章
Seiji Ozawa

この曲は実は「巨人」の第2楽章であったものが、後に抜かれて独立したものです。確かに第2楽章に入れても全く違和感がありません。長いこと紛失したものと思われていましたが、第2次世界大戦後、発見されたそうです[2]。

知識のない私は専門的なことは語れません。主観に基づき自分はこのように聞こえるというようなことしか書けませんでした。今回はヒーロー、ヒロインになろうが最も言いたいことでしたが、マーラーの他の交響曲ではいろいろ聴き方が変わります。実力不足にめげず、このシリーズ続けて行きます。

[関連情報]
[1] Gustav Mahler Complete Edition, 10/07/11
[2] 交響曲第1番 (マーラー), wikipedia
[3] Enrique: カッコーの音程, 10/07/12



Gustav Mahler Complete Edition [マーラー]

先日nyankomeさんが紹介していたCD[1][2]を購入しました。

Gustav Mahler Complete Edition,
Deutsche Grammophone

CD、18枚組でamazonで4297円。さらに輸入版をもう一枚買ってさらに10%引きです。なんという安さでしょう。

私がマーラーをよく聞いていたのは大学に行っていた頃であります。ある時期は仕送りも断り、アルバイトで住居費、食費、学費をまかなっていました。当然、貧乏でCDなど買う余裕はありませんので、もっぱら友人のCDをカセットテープに録音して聞いていました。そのときはバブルの真っ只中で、学生もなぜか金があり、皆、車を買って、海外旅行をしていたように思います。私は旅行はおろか、免許をとる経済的余裕もありませんでした。でも、バブルのおかげでアルバイトで生きていけていたのかもしれません。

通常、マーラーファンなら、CDは持っているでしょうし、誰が買うのでしょうか。そうです。このマーラー全集は私のために作られたものとしか思えません。私のようにマーラーファンでいながらCDを持っていない人は少ないでしょうね。nyankomeさんの記事を読んだときすぐに注文しました。

さて、なぜ、今年マーラー全集かといえば、マーラーは生誕150年[3]なのです。マーラーは1860年生まれです。あと50年は待てませんので、今年お祝いするしかありません。世の中の報道としては、どうも、生誕200年のショパンどころか、シューマンにも負けている気がします。

新しい企画ですが、この記事を始まりとして、12月までマーラーについて語って行きたいと思います。マーラーを聞いていたときはインターネットもなく、CDを買っていなかったので解説もなく、ひたすら聞いていただけで知識はありません。どこまで語れるか不安ではありますが、お楽しみに・・・

[関連情報]
[1] nyankome: マーラー全集, 10/07/03
[2] nyankome: 千人の交響曲, 10/06/26
[3] グスタフ・マーラー, wikipedia



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